高圧ガス製造保安責任者 保安管理技術まとめ【材料の劣化⑭-高温ガス腐食(乾食)③】
高圧ガス資格試験の再勉強を兼ねてブログにまとめてます。
これから勉強しようとしている方のお役にたてたら幸いです。
基本的な内容は高圧ガス保安協会出版の高圧ガス保安技術(第12版)からまとめています。
今回は10.2.2 高温ガス腐食(乾食)から
b)高温ガスによる腐食・劣化
7項目あるのでちょっとずつまとめていきます。
4)水素浸食
水素は高温高圧の環境では鋼の中に侵入してきます。
すると鋼の中の炭素と反応し、メタンを発生します。鋼の強度を上げるために入れた炭素を消費してしまい、さらにメタンが気体となって微小なき裂を作ってしまいます。
これを水素浸食といいます。
重要度◎
5)浸炭、脱炭
炭素鋼などの金属は様々なガスに接します。その組成によっては炭素を吸収してしまったり(浸炭)、逆に炭素を奪われたり(脱炭)します。
炭素量が部分的に変化してしまうことで劣化してしまいます。
重要度◎
今回はここまで
次回は10.2.2 高温ガスの腐食(乾食)の続きをまとめます。
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高圧ガス製造保安責任者 保安管理技術まとめ【材料の劣化⑬-高温ガス腐食(乾食)②】
高圧ガス資格試験の再勉強を兼ねてブログにまとめてます。
これから勉強しようとしている方のお役にたてたら幸いです。
基本的な内容は高圧ガス保安協会出版の高圧ガス保安技術(第12版)からまとめています。
今回は10.2.2 高温ガス腐食(乾食)から
b)高温ガスによる腐食・劣化
7項目あるのでちょっとずつまとめていきます。
2)ハロゲンガス腐食
塩素ガス、塩化水素ガスなどをハロゲンガスといいます。
ハロゲンガスは腐食性が非常に高く、多くの金属は激しく腐食します。
ハロゲンガスを使用する場合の耐用温度は、炭素鋼では約200℃以下、SUS304では約300℃ 程度しかありません。
金属と塩素が反応したFeCl3は融点が約600℃のため、この温度以上で使用するとみるみる腐食します。
重要度〇
3)硫化
炭素鋼やニッケルは硫化水素を含む高温ガスで硫化物になって腐食します。
硫黄分の多い原油プラントで炭素鋼を使用した場合、250℃では2mm/年も腐食します。
アルミニウムやクロムは硫化水素ガスに対して耐性があるため、ステンレス鋼を使用するとよいです。
重要度◎
今回はここまで
次回は10.2.2 高温ガスの腐食(乾食)の続きをまとめます。
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高圧ガス製造保安責任者 保安管理技術まとめ【材料の劣化⑫-高温ガス腐食(乾食)①】
高圧ガス資格試験の再勉強を兼ねてブログにまとめてます。
これから勉強しようとしている方のお役にたてたら幸いです。
基本的な内容は高圧ガス保安協会出版の高圧ガス保安技術(第12版)からまとめています。
今回は10.2.2 高温ガス腐食(乾食)から
a)高温ガス腐食の特徴
高温のガスがある状態で、金属が反応して損傷することが高温ガス腐食です。
・ 高温ガスと金属が反応する
・高温ガスで材質が劣化する
・高温ガスによって生じる付着物で腐食する
の3点があります。
b)高温ガスによる腐食・劣化
7項目あるのでちょっとずつまとめていきます。
1)酸化
金属の酸化は高温(だいたい500~550℃)の空気・水蒸気・二酸化炭素によって生じます。
炭素鋼に酸化が生じた場合、酸化物被膜は緻密になり、保護性を持ちます。つまり、酸素が入り込めずそれ以上酸化が進行しにくくなります。
炭素鋼の耐酸化性はクロム、アルミニウム、ケイ素などを加えると向上します。 これによって850℃以上の耐酸化性を示します。
重要度〇
今回はここまで
次回は10.2.2 高温ガスの腐食(乾食)の続きをまとめます。
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高圧ガス製造保安責任者 保安管理技術まとめ【材料の劣化⑪-種々の湿食⑥】
高圧ガス資格試験の再勉強を兼ねてブログにまとめてます。
これから勉強しようとしている方のお役にたてたら幸いです。
基本的な内容は高圧ガス保安協会出版の高圧ガス保安技術(第12版)からまとめています。
今回は10.2.1 湿食から
e)種々の湿食
湿食にもいろいろな種類があります。覚えておきたい重要なことからそんなこと起こるの?!という湿食まで。
1つ1つ行きましょう。
⑪ エロージョン・コロージョン
乱流やスラリーの衝突で物理的に材料が損傷するエロージョンと同時に腐食(コロージョン)が同時に起こることです。
スラリーを移送している配管であったり、配管のエルボー部分によくおこります。
2重の浸食を受けるため、腐食速度が高いのが特徴です。
重要度〇
⑫ 微生物腐食
いろいろな腐食がここに混ぜ込まれているので、一言でまとめるのは難しいですが、例えば硫酸塩還元バクテリアによる腐食があります。
こいつは硫化水素を発生させるため、金属を腐食します。
でも、あんまり覚える必要はありません。
重要度×
今回はここまで
次回は10.2.2 高温ガスの腐食(乾食)をまとめます。
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高圧ガス製造保安責任者 保安管理技術まとめ【材料の劣化⑩-種々の湿食⑤】
高圧ガス資格試験の再勉強を兼ねてブログにまとめてます。
これから勉強しようとしている方のお役にたてたら幸いです。
基本的な内容は高圧ガス保安協会出版の高圧ガス保安技術(第12版)からまとめています。
今回は10.2.1 湿食から
e)種々の湿食
湿食にもいろいろな種類があります。覚えておきたい重要なことからそんなこと起こるの?!という湿食まで。
1つ1つ行きましょう。
⑨ 応力腐食割れ
はい出ました。応力腐食割れ!!超重要!!
金属や合金が壊れない程度の応力を受けている状況で、ある環境中だと割れる現象を応力腐食割れといいます。
応力腐食割れには2種類あります。
① 引張応力がある状況で金属内部のある経路に限定された面に腐食して割れること
ステンレス鋼などが塩化物環境中にあるとよくおこります。他には
・炭素鋼に高温のNaNO3溶液(NO3イオン)
・黄銅にNH3を含む大気やアミン水溶液
・オーステナイト系ステンレスに高温海水(Clイオン)、高温高濃度NaOH水溶液(OHイオン)など
・高力アルミニウム合金、高力チタン合金に海水(Clイオン)
② 腐食によって生じた水素が金属や合金の内部に侵入し割れること
これは水素脆性割れという場合もあります。
高張力鋼やマルテンサイト系ステンレス鋼のように強度の高い材料にのみおこります。
硫化水素など水素を発生する環境で起こります。
重要度◎
⑩ 腐食疲労
金属に繰り返し応力がかかると疲労による破壊が起こるが、腐食が同時に起こるとさらに弱くなります。これが腐食疲労です。
重要度△
今回の項目では応力腐食割れを必ず覚えてください。出題率高いです!!
今回はここまで
次回は10.2.1 湿食のe)種々の湿食の続きをまとめます。
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高圧ガス製造保安責任者 保安管理技術まとめ【材料の劣化⑨-種々の湿食④】
高圧ガス資格試験の再勉強を兼ねてブログにまとめてます。
これから勉強しようとしている方のお役にたてたら幸いです。
基本的な内容は高圧ガス保安協会出版の高圧ガス保安技術(第12版)からまとめています。
今回は10.2.1 湿食から
e)種々の湿食
湿食にもいろいろな種類があります。覚えておきたい重要なことからそんなこと起こるの?!という湿食まで。
1つ1つ行きましょう。
⑦ 粒界腐食
ステンレス鋼にはクロムと炭素を含んでいます。
ステンレス鋼に不適切な加熱処理をしてしまうとクロムと炭素が反応し炭化クロムになります。
その結果、不動態被膜を作るのに必要なクロムがなくなり、腐食されやすくなります。これが粒界腐食
これを鋭敏化といいます。腐食に対して鋭敏になります。
粒界腐食をしにくくするために、炭素濃度を減らしたステンレス鋼があったりします。
重要度◎
⑧ 脱成分腐食
合金からある成分が失われることです。
腐食した金属が取り除かれるわけではないので、見た目には変色しただけのように見えますが、強度は下がっています。
重要度△
今回はここまで
次回は10.2.1 湿食のe)種々の湿食の続きをまとめます。
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高圧ガス製造保安責任者 保安管理技術まとめ【材料の劣化⑧-種々の湿食③】
高圧ガス資格試験の再勉強を兼ねてブログにまとめてます。
これから勉強しようとしている方のお役にたてたら幸いです。
基本的な内容は高圧ガス保安協会出版の高圧ガス保安技術(第12版)からまとめています。
今回は10.2.1 湿食から
e)種々の湿食
湿食にもいろいろな種類があります。覚えておきたい重要なことからそんなこと起こるの?!という湿食まで。
1つ1つ行きましょう。
⑤ 孔食
局部的に深い孔状の浸食が生じる腐食を孔食といいます。
要するに穴が開くことです。
炭素鋼では前回まとめた通気差腐食で発生します。
ステンレス鋼では高濃度の塩化物イオンがある環境で起こります。
ステンレスに塩素は基本的に厳禁です!!
重要度◎
⑥ すき間腐食
『不動態被膜を作る金属(SUSやアルミ)』が『塩化物環境』にあって『すき間』があった場合、そこに発生する腐食をすき間腐食といいます。
すき間に入った溶液は流動しづらいので、イオン濃度が高くなり腐食しやすくなります。
重要度△
今回はここまで
次回は10.2.1 湿食のe)種々の湿食の続きをまとめます。
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