高圧ガス製造保安責任者 保安管理技術まとめ【材料の劣化21-エロージョン】
高圧ガス資格試験の再勉強を兼ねてブログにまとめてます。
これから勉強しようとしている方のお役にたてたら幸いです。
基本的な内容は高圧ガス保安協会出版の高圧ガス保安技術(第12版)からまとめています。
今回は10.3 摩擦とエロージョンから
摩擦とエロージョンですが違いをまずはしっかり覚えましょう。
摩擦は固体どおしの摺合せです。一方、エロージョンは流体と固体の衝突です。
では10.3.2 エロージョンの分類をまとめます。
a)エロージョンの種類
1)レインエロージョン
水滴、雨滴、油滴など液滴が固体に衝突することで固体が損傷することです。
長い年月水滴が当たり続けた石にへこみができるのはレインエロージョンですね。
水滴の勢いが上がれば損傷の速度も上がります。ウォーターカッターはレインエロージョンの利用例になります。
2)キャビテーションエロージョン
液体の流速が早くなったり、高速な振動を受けると局所的に圧力が低下して、液体が沸騰すると気泡が発生します。これがキャビテーション。
キャビテーションによって生じた泡がはじけるときに大きな衝撃が発生し機器を損傷させることをキャビテーションエロージョンといいます。
3)サンドエロージョン
気体中に含まれる固体粒子が衝突することで発生する損傷です。液体と固体の衝突よりもエネルギーが強いので損傷は大きくなります。水をかけられるより、ボールぶつけられた方が痛いですよね?
気流輸送では常に問題になる現象です。
4)スラリーエロージョン
スラリーとは固体粒子を含んだ液体の事です。水溶き片栗粉です。
このスラリーが衝突することで起きる樽俎湯をスラリーエロージョンといいます。これもただの液体の衝突よりも強い損傷を与えます。
今回はここまで
次回からは11章 高圧設備についてまとめます。
高圧ガス製造保安責任者 保安管理技術まとめ【材料の劣化⑳-摩擦】
高圧ガス資格試験の再勉強を兼ねてブログにまとめてます。
これから勉強しようとしている方のお役にたてたら幸いです。
基本的な内容は高圧ガス保安協会出版の高圧ガス保安技術(第12版)からまとめています。
今回は10.3 摩擦とエロージョンから
摩擦とエロージョンですが違いをまずはしっかり覚えましょう。
摩擦は固体どおしの摺合せです。一方、エロージョンは流体と固体の衝突です。
まずは摩擦の分類をまとめます。
a)摩擦の分類
1)凝着摩擦
摩擦と言って一番わかりやすいのがこれです。2つの固体がくっついて擦れることです。
手と手を合わせてすりすりするのがこれです。
2)アブレシブ摩擦
固体間に固い粒子があったり、固体自体がごつごつしていたりするとこの摩擦になります。切削摩擦とも言われ、強い摩擦が発生します。
手と手を合わせてすりすりする際に砂を間に挟むイメージです。手が荒れますよね。もしくは紙やすりで木を削るのもこれです。
3)腐食摩擦
材料が化学反応によって表面が弱くなり脱落することです。
ほぼ金属の錆びのことを言っています。別名酸化摩擦とも言います。
4)疲労摩擦
摩擦の繰り返しで表面が疲労破壊する摩擦です。
今回はここまで
次回はエロージョンについてまとめます。
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高圧ガス製造保安責任者 保安管理技術まとめ【材料の劣化⑲-防食法③】
高圧ガス資格試験の再勉強を兼ねてブログにまとめてます。
これから勉強しようとしている方のお役にたてたら幸いです。
基本的な内容は高圧ガス保安協会出版の高圧ガス保安技術(第12版)からまとめています。
今回は10.2.3 腐食対策から
c)防食法
これもいっぱいあるので細かくまとめていきます。
5)耐食金属の利用
炭素鋼で腐食しやすい場所は炭素鋼以外をつかってしまおうという発想です。
おもにステンレス鋼や低合金鋼を使いますが、粒界腐食にはLグレードのステンレス鋼、孔食にはクロム量が多い鋼種やモリブデンが入った鋼種が使われます。
6)腐食しろによる対策
腐食してしまうなら腐食させてしまえ、腐食しても壊れないくらい厚くしてやるという発想。
なんだか力任せですが有効な方法です。
ただ万能ではなく、この防食法は基本的に全面腐食(全体が均一に腐食していく)に有効です。
一部分のみが急激に腐食する場合は有効ではない場合が多いです。
容器が置かれる環境に対して、どのくらい腐食するかのデータがないと厚みは決められないので、実は経験値が重要な防食法です。
力任せとか言ってごめんなさい!!
今回はここまで
次回は10.3 摩擦とエロージョンをまとめます。
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高圧ガス製造保安責任者 保安管理技術まとめ【材料の劣化⑱-防食法②】
高圧ガス資格試験の再勉強を兼ねてブログにまとめてます。
これから勉強しようとしている方のお役にたてたら幸いです。
基本的な内容は高圧ガス保安協会出版の高圧ガス保安技術(第12版)からまとめています。
今回は10.2.3 腐食対策から
c)防食法
これもいっぱいあるので細かくまとめていきます。
3)環境処理
環境処理には腐食させてしまう物質の除去と防食剤添加の2種類があります。
・有害物質の除去
とにかく水を除去することが大切です。水には鋼材にとって有害な酸や塩化物イオンなどが溶け出すので腐食を防げます。
・防食剤の添加
防食剤のことを別名インヒビターといいます。
薬剤によって炭素鋼に不動態被膜を形成したり、吸着被膜を形成したりします。詳細は覚えなくていいと思います。
さび止めに塗る油なんかもここに当たると思います。
4)電気防食法
電解質溶液中では金属から電気が流出することで腐食が進行します。この性質を逆手に取ったのが電気防食です。
土中や水中なあるパイプラインに導線でより卑な金属をつなぎます。そうすると電気は卑な金属からパイプラインに流れるため、腐食するのは金属のほうになります。これを犠牲電極といいます。
一種の電池をつくってしまうわけです。
これはかなり有効な防食法です。
今回はここまで
次回は10.2.3 腐食対策の続きをまとめます。
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高圧ガス製造保安責任者 保安管理技術まとめ【材料の劣化⑰-防食法】
高圧ガス資格試験の再勉強を兼ねてブログにまとめてます。
これから勉強しようとしている方のお役にたてたら幸いです。
基本的な内容は高圧ガス保安協会出版の高圧ガス保安技術(第12版)からまとめています。
今回は10.2.3 腐食対策から
c)防食法
これもいっぱいあるので細かくまとめていきます。
1)有機被覆
有機被覆 ≒ 塗装です!!
下塗り、中塗り、上塗りといろいろあるのですが、言いたいことは一つです。
塗装することで酸素や水(主に雨水)に金属が触れないようにします。これが一番大事。
車でも塗装が剥げるとそこからあっという間に錆びますのでイメージしやすいと思います。
他にもゴムやプラスチックでライニングすることもありますが、まあ少ないです。
2)金属被覆
金属被覆 ≒ メッキです!!
メッキは有機被覆よりもさらに化学的な機構が関係してきます。
金属に対して金属でメッキをするとことになります。もしメッキにピンホールなどができてしまい、そこに雨などの電解質溶液が付着すると異種金属接触腐食がおきてしまいます。
ここで大事なのは鋼材に対して卑な金属でメッキすること!!
異種金属接触腐食では卑の金属から腐食するため、メッキ部から腐食するため、鋼材は痛みません。
炭素鋼の場合は亜鉛やカドミウムが卑の金属になります。亜鉛が安いのでよく使われます。
炭素鋼には亜鉛メッキ!!
今回はここまで
次回は10.2.3 腐食対策の続きをまとめます。
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高圧ガス製造保安責任者 保安管理技術まとめ【材料の劣化⑯-腐食対策】
高圧ガス資格試験の再勉強を兼ねてブログにまとめてます。
これから勉強しようとしている方のお役にたてたら幸いです。
基本的な内容は高圧ガス保安協会出版の高圧ガス保安技術(第12版)からまとめています。
今回は10.2.3 腐食対策から
a)腐食対策の考え方
腐食対策の考え方は
防食 < 腐食が起こりにくい構造設計
です!!
いろいろと効果的な防食方法はありますが、まずは腐食を起こさないってことが大事です。
b)構造設計による腐食の軽減
代表的な構造設計は以下のようなものがあります。
① 水が溜まりずらい構造とする
② 流速低下のため配管径を増大する
③ 配管の曲りを緩やかにする
他にも当たり前のことですが、化学物質に応じた材質を使う
材料に無理な力がかからない配置にする
などがあります。
今回はここまで
次回は10.2.3 腐食対策の続きをまとめます。
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高圧ガス製造保安責任者 保安管理技術まとめ【材料の劣化⑮-高温ガス腐食(乾食)④】
高圧ガス資格試験の再勉強を兼ねてブログにまとめてます。
これから勉強しようとしている方のお役にたてたら幸いです。
基本的な内容は高圧ガス保安協会出版の高圧ガス保安技術(第12版)からまとめています。
今回は10.2.2 高温ガス腐食(乾食)から
b)高温ガスによる腐食・劣化
7項目あるのでちょっとずつまとめていきます。
5)窒化
浸炭と同じことが窒素でも起こります。高温・高圧の窒素ガスに金属が接触することで、窒素が金属に侵入し窒化物が発生します。結果金属が脆くなることを窒化といいます。
炭素鋼や低合金鋼よりもSUSのほうが耐性があります。
重要度〇
7)付着物による腐食
ここは重要でないので簡単に
①バナジウム腐食
重油などを燃やすと融点の低い酸化バナジウム系の化合物ができて付着します。これが金属を腐食します。
②アルカリ硫酸塩腐食
燃料の不純物から硫酸ナトリウムや硫酸カリウムが金属に付着すると硫酸塩錯体となります。これが金属を腐食します。
重要度△
今回はここまで
次回は10.2.3 腐食対策をまとめます。
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